意味が分かると怖い話「お先にどうぞ」

この山の崖は、景色が綺麗で
ちょっとした名所となっている。

A「着いた」
A「奥の望遠鏡から見える景色も綺麗なんだよな・・・風が気持ちいい・・・」
A「おれの家は・・・あの山の向こうかな・・・」
A「まぁ、今となってはどうでもいいか」

Aが望遠鏡に向かうと、

あ!

Aが振り返ってみると、そこには白髪の青年がいた。
青年は瞳の億に闇を抱えているような、そんな印象を受けた。
Aは全てを察し、先を譲ることにした。

A「お先にどうぞ」
B「ありがとうございます」

Bはお礼を言うと、Aの横を通り
望遠鏡の横まで歩いた。

すると

手すりを持ち

Bはそのまま落ちていった。

 

Aは思った。

あの時、譲らなければよかった

彼は全身に痛みを感じながら

おれは後悔した。


解説

この山の崖は、景色が綺麗で
ちょっとした名所となっているが、自殺の名所でもあった。
彼は景色を楽しみたいようにも見えるが、どこか吹っ切れたような様子がある。
Aの目的は自殺。
もう一人の青年が来た際、Aは彼が自殺しに来たことを察した。

なぜAは後悔しているのか

それは、すぐに死ねなかったから。
先に飛び降りた青年の体がクッションとなり、生き残ってしまい後悔していたのでしょう。
とはいえ、とてつもない高さから飛び降りたので瀕死状態です。
そのうち死ぬのでしょうが、死ぬまでの間ずっと苦しんでいないといけない。
しかし、Aは苦しんで死ぬことについては全く後悔していないことから
死への執着心が恐ろしく表現されています。

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